(起業12)起業するときに、事業計画をつくる

(起業12)起業するときに、事業計画をつくる

 事業計画がなければ、起業してから思い通りに事業を行うことができません。
また、事業計画は自分がこれから何をするのかを表明する道具でもあり、事業の賛同者をつくったり、銀行から融資を受けるためにも必要なものです。

1.どのような事業なのか
2.なぜこの事業が必要なのか
3.自分は何をしたいのか
 
 ということを整理してみるとよいでしょう。想定している、これをしたい、あれをしたいということは、この段階でまとめ、意志を再確認します。この段階では、市場や競合についてできるだけ調べて、考えをまとめます。

 簡単な例でいえば、花屋を始めたいうときには、安心してスタートできるよう、競合がどこにいるのか、店の場所はどこか、ターゲットや価格は、商品構成は、販促の方法は、というようにしっかり考えておき、事業計画にそれを整理して記載します。

 また、資金についても考えなければなりません。ここではは、スタート時に資金がいくら必要になるのか、また、(人の採用も含め)営業により、どのような損益になるのかを考え、運転資金はどの程度必要なのかをまとめます。

 損益計算書、そして貸借対照表の考え方を知っておく必要があります。経営をしようと考える人は、簿記の習得までは必要にはならないものの、会計を知っておかなければあとで足をすくわれます。社会人の三種の神器のうち、会計、ITは必須です。もちろんもう一つの英語も必ず後で役に立つことは間違いありません。

 「損益は意見であり現金は事実である」という言葉があるように、現金のながれ、すなわちキャッシュフローの知識を知っておく必要があるのはいうまでもありません。
売上や利益もでているのにお金が手元にない、ということがないようにしなければ事業をなが続きさせることはできません。

 営業活動によりどれだけ現預金を稼いでいるのか、また投資を行う現預金はどれだけか、また財務すなわり、借入をしたり、預金をする現預金のながれはどうかを知る術をもっていないと、経営のどこかで躓くことになるからです。もちろん、経営者も慣れてくれば、感覚で現預金のながれを理解できるようになるし、勘と経験がものをいうこともあるのは確かです。

 しかし、そこにはうまくいったり失敗したりする時間が必要で、それがなければ、そうしたセンスは身につきません。できるだけ迅速に知識を身に着けて実際に事業をしながら確認したほうが楽ですし、上手くいきます。時間をできるだけ節約するためにも、一定の勉強をしたほうが良いと思います。

 信頼できる人を傍に置く、ということもありですが、会計や財務については、多くの経営者が最後は自分で分かっていなければ任せてはいけないということに、あるとき気付きます。

 間違いなく必要ですので、自分が理解できるよう、経営者の義務として簡単な知識は習得することをお勧めします。もちろん、当会計事務所では、クライアントやこれから起業家する方々が学習する機会を、しっかりつくっていきたいと考えています。もうしばらくお待ちください。

さて話が少しそれたようですが、
4.どのような損益になるか
5.どのような資金が必要なのか
6.どこから調達するのか
について考えることになります。

 (もちろん合理的な勝算があって)始めから大きく資金を集めて事業を開始しなければならないこともありますが、やはりできるだけ小さく始めることがいいと私の経験から考えています。
 
 小さく産んで、大きく育てることが事業の要諦です。顧客に評価されることを軸に経営していけば必ず事業は大きくなります。

 一定の規模になったらM&Aや営業の譲受などを行い規模を拡大することや、事業の幅を広げていくことは可能ですが、基盤が固まらないうちに事業拡大してしまうのはのちに大きな禍根を残すことになるので注意しましょう。

 自分のリズムもありますが、資金を調達→運用→売上増→利益増→キャッシュ増→再投資→運用→売上増…という拡大循環をつくれる、保守的な利益計画、事業計画をつくる必要があります。

 なお、ここで利益計画は予測損益計算書と同じ意味です。売上高―売上原価=売上総利益―販売費及び一般管理費=営業利益+営業外収益―営業外費用=経常利益、といった具合に表をつくります。前述のように損益計算書の勉強をしましょう。事業計画は上記で対象とした項目を文章にした計画書です。3年のものは中期経営計画書といいます。5年は先すぎるので、つくってもうまくいかないことが多いです。

 しかし、5年後はこうなっていたいという思いを数字にするのは大事なので、つくってみてもよいでしょう。想定できない良いことも悪いこともあり、スムーズに行った場合で、こうなったらいいな、という状況をつくることが良いと思います。

7.将来はこうなっていたい
 
 ということもゴールとして考え計画に載せるとよいでしょう。形式は気にする必要はありません。

 自分の事業を整理しまとめ、考え検討するための道具として事業計画を作成すると良いと思います。形式や様式はまたどこかで勉強する時期もくるし、資金計画や採用計画、設備投資計画、業務改善計画等々、さまざまな計画を立案し、しっかりした事業計画や経営方針書を作成する時期も、そう遅くないうちにやってきます。

 まずは、多くの人が起業を成功させ、新しい人生のスタートを切れることを心から期待しています。