(起業7)事業とはどのようなものかを考える(2)

(起業7)事業とはどのようなものかを考える(2)

 前回は、事業のプロセスを、草創期、成長期、成熟期、衰退期に分け、前者2つを説明しました。今回は残りの2つについての説明を行います。

(3)成熟期
 事業が成果を挙げ順調に進む時期を差しています。このころになると事業はとりわけ特徴もなく、安定的な事業を継続できるようになります。この時点での規模は大きくなっている事業もあるし、また規模は大きくなくてもそこそこ継続している事業もあります。
事業に大きな成長がみられるものでもなく、収益も伸びなくなります。
ここから飛躍的に当該事業が伸びていくということはありません。この時点で経営者が行うべきは、次の事業を始めることである理由がここにあります。成長が止まり、もう伸びないのであれば、次の柱となる事業を探す。それができなければ、成熟した事業はかならず、どこかで衰退すると考えなければならない、と気づく必要があるのです。いままで培ってきた経験を元に、さらに事業拡大するということも考えられるし、関連する事業への展開を行う、ということもあります。

私のクライアントである戸建て住宅の販売を行っている業者は、ホテル事業に乗り出しました。戸建てで築いた、不動産売買のスキルや、内装や工事のノウハウは、間違いなく役に立つという感覚もあったのだと思います。事実、同社は、新しいノウハウも学びつつ、ビジネスホテルから、旅館まで幅広いホテル事業を行い、成長する事業に育て挙げています。

(4)衰退期
 競合もでてくるし、時代が変化し、従来の事業が古くなるときが必ずやってきます。環境変化や技術革新、消費者ニーズの変容がその理由です。革新のない事業は成熟期に入り、衰退期に入ると理解していれば、成熟期の期間を延ばす、というよりも成長期でい続けるということが経営者の役割かもしれません。

ただ、他律的な理由により、成熟期にいきなり突入することがあるので、前述したように、日頃から準備を行い常に事業の芽を探し、次は何を行うのか、という領域において研究を続けることが衰退期に入らないポイントであると考えています。衰退期に入ったとしても、ここから捲土重来ということもありますので、この時期であっても、次の事業を探すことを諦めてはなりません。

富士フイルムが、コピー機への展開や、衰退期に突然入った(ように見えた)フィルム事業から撤退し、医薬品や医療機器の会社に変貌を遂げた例は特徴的だと思います。

事業は、草創期、成長期、成熟期、衰退期に区分される。事業は必ず衰退する、だから成長し続けるために革新を行い事業を成長期に位置付けし続ける。ただ、そして時代の変化に合わせ、次の事業への準備を怠らない、タイミングを間違えずに、常に成長させる事業への着手を行っていくことが必要だ、という結論です。