会計事務所の領域を考える
会計事務所の機能を掘り下げて、税務会計に精通し、書籍を発行したり、税理士会で活動し、税務署にも顔が効き、何かあったときには便宜を図ってもらう、といった会計事務所を尊敬しています。人間関係を軸として節税を行い、便宜を取り計らってもらうということも会計事務所の強みの一つだからです。 しかし、力のない我々はそうした会計事務所になることはできません。 また、経営者のやみくもな節税要請にも応えることもできません。最後までコンプライアンスを重視し、そして正々堂々と税金を払いながら自己資本を充実させ、他のどの組織からも評価される企業になってもらうための支援をしたいからです。 もちろん、適切な税務処理の方法があるにもかかわらず、それを無視して納税をしましょうということを言っているのではありません。法律を適切に運営し、その結果納税を行うことを回避するのではなく、利益を出し、雇用を創出し、事業価値を高めていくことが大切だと考えているのです。 遠回りのようですが、そうしたあたり前の活動をしてきたからこそ、今活躍している企業は成長しているし、成果をあげています。 必要な補助金を得たり、適切な節税を行うことでキャッシュフローの改善を行うことは当然のこととして、我々は、経営のなかに、しっかりした成長の軸をつくることを優先して事業拡大することが経営者にも社員にも、そして多くの利害関係者にとっても有効であることは、さまざまな経験から学んでいます。 こうした考え方を共有できる経営者と事業創造ができれば、職業会計人冥利に尽きるという思いがあります。 さまざまなメニューを用意し最善を尽くしてクライアントのために活動する。そんな当事務所の職員に私は期待しています(石井友二)...